モスクワ紀行(3)最後まで働きづめ(96.10.5)


10/4は、訳あって専門学校の生徒たちと話をする。(といっても、当然、直接会話したわけではない)
専門学校といっても、高校に代わるものだから、日本で言うと工業高校や高専に近いかもしれない。なにか一生懸命勉強しているというか、自分たちで課題をみつけて取り組んでいる感じ。生徒たちと話したのも、先生がジャーナリズム教育の一環として、日本の人に質問しなさいという理由から。
こういった授業というのは、日本の高校レベルだとほとんどない。個人の能力が必要になってきている時代に、こういった教育をしているかどうかが、10年後に大きな差になると思うのだけれど。
卒業生も何人も遊びに来ていたし、校長先生の部屋も気軽に出入りしていて、いまだに先生や学校を権威付けしようといている日本との差を感じて絶望する。ロシアに抜かれるのも時間の問題か。

部屋に帰ってテレビを見ていたら、ハリウッドスターたちが経営する「プラネット・ハリウッド」のモスクワ店がオープンしたというニュースをやっていた。
その開店セレモニーにシルベスター・スタローンも来ていたのだが、モスクワっ子が「ロッキー!ロッキー!」という声援を飛ばす。やっぱりドラゴを応援してほしいよね、ロシア人なら。
それとも、ロシアでのロッキーの設定ではドラゴはロシア人ではないのかな?(あの話を見てそうでないということはないと思うけど。もっとも、ロシア人が見たら日本人が見たアメリカ映画の日本忍者みたいに感じるのかも。)

10/5、ようやく帰国日。まったく観光をしないまま、馬車馬のように働きづめ。ホテルの前にそびえている宇宙博物館らしきものにも行きたかったのだが、まったく時間がない。
仕方がないので、朝に散歩がてら前まで行く。当然、建物はまだ開いていないので周りを一周しただけ。天に突き出ているようなロケットの塔?と、横に彫ってあるレリーフがなかなかいかす。
建物の前に一人の銅像があるのだが、ロシア語がまったく読めないので、誰の像か分からない。ひょっとしたら、宇宙開発の父と呼ばれている何とかとかいう人の像かもしれないと考えるものの、名前を思い出せず。

あまりに観光のないのを気の毒に思ったのか、通訳の人が1時間だけ時間を作って赤の広場に案内してくれる。
ところが、赤の広場はエジプト風やら中国風やら、わけのわからない建造物に占拠されている。何でも、今日から国際サーカスフェスティバルが開催され、その会場が設置されているとのこと。結局、周りをぐるっと回っただけ。

最終日も夕方まで働き、飛行場へ。待合室に入ると、若い日本人がけっこういる。いかにも学生の、貧乏個人旅行のイメージである。めずらしいなと思っていたら、どうもヨーロッパから日本へ向かう便の乗り継ぎ組らしい。しかも、乗り継ぐ予定の便が欠航して僕らが乗る次の便と一緒になってしまったため、ずっと待ちっぱなしのよう。
アエロフロートのことだから、空席が多いだけで次の便と一緒にしたのではという勝手な憶測を同行者とする。

帰りの便ではめずらしくぐっすり眠ったまま。よっぽど疲れていたのと、まだ体調が万全ではないせいだろう。おかげで、機内で退屈する時間はなかったけど。


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