図書館検索端末の罠(96.10.16)


福岡市の総合図書館は今年の6月にオープンしたばかりの最新の図書館。
以前の市立図書館が、政令指定都市としてはあまりにとほほなレベルだったのに比べ、さすがに設備はよくなっていて、本もだいぶ増えているみたいだし、購読雑誌も3倍くらいになっている。アニメージュやザ・スニーカーや週刊プロレスもある。
畳の読書室もあるし(嬉しい)、ノートパソコンを持ち込める電源付きの部屋もある。ビデオも館内でしかみれないけれど、けっこう一般的な映画があるかと思うと、NHK特集や、カナダ系のアニメ作家のLDとかもある。本を傷めないでコピーできる書籍向けコピー機もある。

会社から昼休みに自転車でいけなくなった場所に移ってしまったのは個人的には残念だが、総じて、「歓迎!」の内容になっている。
そして、ぴかぴかになった最新施設の中でも、おそらく一番最新らしい設備が、本の検索システムがカードからコンピュータの端末になったことだろう。コンピュータに慣れ親しんでいる身としては、これで非常に検索が早くなる、と喜んで端末に並ぶ。

ところが、コンピュータの端末が珍しいせいか、カードの時代にはまったく見かけなかった子供やおばさんまで、嬉々として端末を操作している。しかし、みんな使い方に慣れないものだから操作がとろい。「まったく、OA機器をちゃんと使えない連中は……。」などと偉そうに心の中で優越感に浸りながら、ようやく自分の番になる。

が、まずいきなりタッチパネルの操作にとまどう。タッチパネルという形式もそうだが、入力がカナで、しかも(当然なのだが)JIS配列ではなく、50音配列である。これは、遅い。なまじキーボードに慣れているだけに、逆におばさんより入力が遅いかもしれない。
でもまあ、目指す著者の本の一覧をプリントアウトさえすればいいと思って、プリントアウトしようとするのだが、メニューが見つからない。なんと、プリンターがレジのような帯のタイプのせいか、検索結果を1冊単位でしかプリントアウトできないようなのだ。
すると、ある人の本をすべて抜き出すためには、いちいち1冊ずつ本のデータを一覧から選択し、プリントアウトし、また一覧に戻り……という作業を繰り返さなければならない。しかも、著者一覧も、1画面に8冊くらいしか表示されないので、著作が多いときには何度も画面送りをしなければならない。
これは、時間がかかる。後ろの人の視線が痛い。結局、途中で操作を切り上げた時には、OA機器の達人からただの人、ページプリンターがあればすぐに一覧も打ち出せるのに、と機械のせいにしてそそくさとその場を離れた。

うーん、とても興味のありそうなジャンルやキーワードで本を探せる雰囲気ではない。マンガとかアニメとか映画とかの本でも、切り口によって分類がばらばらだったりして、そこの棚にいけばあるというものではないのが現状なので、ゆっくり探そうと思ったのに。

検索カードの時代には、50音さえだぶらなければ、物理的なスペースが許す限り何人でも同時に調べることができたし、どうも堅苦しい雰囲気があって、資料とかを調べている人しか使ってないことが多かった。
ところが、へたにコンピュータ化したために、誰でも使える雰囲気になり、今まで利用しなかった人が増え、端末数の制限がもろに出てしまったのは、図書館側も予想していなかっただろう。

こういう時、もし、書名リストだけでもインターネットで公開されていれば、家で調べてあるのがわかったら安心して図書館に行くということができるのだけれどなあ。
ついでに、ちょっと興味がわいて、日本全国で1カ所くらいは蔵書を検索できる地方自治体の図書館があるのではないかと、YahooJAPANで「図書館」という項目で検索。
しかし、公共図書館系でそのようなサービスをしている所は皆無のよう。さすがに大学系はいくつかあるようだけれど。

いまからシステムをいじるのは大変かもしれないけど、せっかく蔵書記録がデジタル化されているのだから、なんとかインターネットでも公開してもらえないでしょうか、福岡市総合図書館様。


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