この雑誌は創刊されたばかりだけれど、ほとんどのページを楽しく読めてしまった。雑誌でこのような経験をしたのは、ひょっとしたら最初にアニメ雑誌を読んだとき以来かもしれない。それほどおもしろい内容だった。
帯の文章がこの雑誌の方向性を端的に表している。
「コンピュータは本の敵ではない。新しいものには、古いものを叩きつぶすだけでなく、それを思いがけないしかたで甦らせる力もある。」
この手のテーマだと、「電子出版なんて本ではない」派と、「いまどきコンピュータを無視できるか」派の主張のしあいに終始しがち。
でも、この雑誌は、もはやコンピュータと向かい合わなければならないことを認識している出版関係の人たちが、ではどのようにすれば本とコンピュータのいい関係をつくっていけるのかという考え方で作られているので、内容が前向きで気持ちいい。
しかも、コンピュータ側からの視点で記事を作っていないので、内容もわかりやすい。同人誌の電子化に興味のある人はぜひ読んでください。
「創刊にあたって」という文章の中で、インターネットのページも近く予定しているようなことが書かれている。インターネットというメディアの中での本のあり方という実験が、実際に目で見ることができると、とてもすてきだと思う。早くオープンしないかな。
ところで、この雑誌の中で一つ気になる内容があった。詩人の鈴木志郎康という人が座談会の中で
「ホームページだと画像が独立ファイルになってしまうので、どんなに画像が小さくても引用とは認められないそうです。」
と言っているのだけれど、これはインターネット界では一般的な解釈なのだろうか。
自分はいままでホームページにおいても、著作権のいわゆる「引用」の定義(引用されたものが副であること、等)を満たしていれば、引用が認められると信じていた。
鈴木氏の言葉が本当だとすると、インターネット上では必ず相手の許可が前提になり、批判的な内容での引用が認められなくなってしまう気がするのだけれど。誰か、この件について詳しい方、教えていただけませんか。