【ポケモン同人誌事件】
あるルートを通じて、ようやく今回の事件に対する任天堂のコメントをいただくことができました。
当然ながら任天堂側の立場に立った見解なので、この内容について異なった意見や考えをもたれる方もいるとは思いますが、なぜ今回のような事件が起こったか、そして今後どうすれば同じような事件が起きないかを考えるための一つの主張として受け止めてほしいと思います。
また、今回のコメント掲載において、私の無理なお願いにも関わらず、辛抱強く何度も対応していただいた任天堂関係者の方にお礼を申し上げます。(敦志)
【任天堂の話】
まず、今回の事件の発端は、一般の人からの情報提供がきっかけでした。あまりにもひどい内容の同人誌が出回っているという通報で、それを受けて任天堂の側で問題を検討したわけです。
また、一部の報道で流れている「任天堂社員が同人誌を購入した」という件は、情報提供を受けて、内容確認のために行ったことです。偶然、任天堂の社員が手に入れたわけではありません。
任天堂としても、同人誌およびイベントの規模がかなり大きくなってきており、一般人、とりわけ小さな子供にも同人誌が目に触れる機会が多くなっていることを気にしています。
また、今回特に注視したのは、問題となった同人誌が通販主体であったこと。通販は対面販売でないだけに、相手を見極められません。子供でも簡単に入手可能です。任天堂としては小さな子供に対する悪影響を非常に心配しています。
なぜ警告などなしに逮捕に踏み切ったのか、ということですが、まず、情報提供者からの話で、このような内容のものを今までもシリーズでやっていたということが情報として寄せられていました。つまり、初めてこのような同人誌を作ったわけではないということです。(注1)
また、同人誌サークルや作者はペンネームを使用する例が多く、ちゃんとこちらの警告が届く確証がありません。警告しても、別の名前、サークルで出される危険性があります。また、バックに何らかの組織があるのかなどをチェックする方法もありません。
こういった問題を弁護士などと検討した結果、刑事告発が現実的であるとの判断となりました。
ただ、今回の大規模な報道は、任天堂側としても驚いているし、やや行き過ぎの報道が一部にあったと感じています。
今後、同人誌をヨ止するのか、ということについては、以下のような考えです。
元来、個人が楽しむ範囲でキャラクターを使用すること(「私的使用」)は、著作権法上認められており、何等問題はありません。
しかし、コミックマーケット等のように、大中小様々な規模のイベントが定期的に開催され、不特定多数の人々の間で、同人誌やグッズが売買されているような状況、あるいは書店のコーナーに同人誌やグッズが陳列され、販売されている状況は、著作権法上許される「私的使用」の範囲を明らかに超えており、著作権の侵害にあたります。
任天堂側の立場として、どのような種類の同人誌やグッズを問題視するのかという点については、キャラクターの種類、グッズの形、内容、発行(製造)部数、取引形態等を十分吟味し、総合的に判断していくことになると思います。
また、開発者は、キャラクターのイメージをとても大切にしており、自らが制作したキャラクターが自分のイメージとは違う変な形で描写・表現されることを好ましく思いません。
そして著作権者としては、あのような同人誌がポケモンファンである小さなお子様の目に触れたら、子供たちの夢や希望を壊すことになり、許されることではないと考えております。
[注1] 逮捕された作者は、ポケモンの同人誌については今回問題となった本が初めてである。ただ、それ以前からパロディ同人誌は発行していたので、情報提供者はそのことを指摘していたのかもしれない。(敦志)