イベントレポート

「コミックネットワークin福岡ドーム2」


「コミックネットワークin福岡ドーム2」(以下「ドーム2」)というコミケの特長は、会場側が積極的にイベントの内容に関わっているということだ。つまり、他のイベントのように会場を貸すだけではなく、福岡ドームもできるかぎりイベントに積極的に協力していこうという姿勢である。
例えば、テレビCMの流されたコミケは日本広しといえども「ドーム2」だけではないだろうか。また、地下鉄の駅広告やローソンでのチケット販売、さらに当日のホークスビジョンを使ったアニメ上映や今回行われた島田沙羅のトークショー&サイン会などは、すべて福岡ドームの側の予算で行われた活動である。

もちろん、これには理由がある。福岡ドームは、単なる貸し会場ではなく、総合施設であるということだ。単純な会場側の床代だけで考えると、極端な話、草野球に貸した方が(広告宣伝費などはかからないから)儲かるのである。しかし、福岡ドームには球場内の飲食施設、おみやげ品の店、さらに先頃オープンしたホテルシーホークと、そこにあるショッピングアーケードやレストランなどが存在する。
そうなってくると、応援の家族を入れてもよくて100人程度の集客しかできない草野球と、1万人以上集めることのできるコミケとでは波及効果の差は歴然である。また、福岡ドームのイベントでは入場料は基本的に福岡ドーム側の収入になっており、この部分の利益も大きいはずだ。結果として、あれほどの宣伝や活動を行っても、福岡ドームを含めた「ホークスタウン」(周辺施設も含めた総称)にとってはメリットが大きいというわけだ。

僕は今回の「ドーム2」は前回より入場者数が減ると見ていた。前回の入場者数はサークルの人間を含め1万人というすばらしい数字だったのだが、今回は前回より若干サークル数が少ないことと、前回は「ドームで行われるのなら見てみようか」という物珍しさで来場した人間がけっこういたと感じており、その分2回目の今回は目新しさに欠けると考えていたのだ。
ところが、ふたを開けてみると前回より2割増しの1万2千人。今まで福岡で行われた全コミケの中でも過去最高のはずである。すべてが福岡ドームの宣伝の効果とはいえないかもしれないが、かなりの影響力があったのは事実だろう。

問題は、こうした非常に公共性の高い媒体を利用した宣伝活動が、ともすれば影での活動になりがちなサークルにどう捉えられるかということである。
実際、他のコミケに比べて一般人の目にはるかにふれやすい今回の広報活動をやめてほしいというサークルはけっこういる。
ところが、ちょうどタイミングのいいことにマリンメッセというほぼ同程度の規模のイベント会場が完成し、こちらも年に数回はコミケ会場として使われそうである。しかも、メッセはよくも悪くも従来の普通上にある。サークルにとっては、好きなイベントのタイプを選ぶことができるということである。
従来のイベントの延長線上にあるマリンメッセを選択するか、より開かれた宣伝活動で集客力の高いドームを選択するかの余地がある現在、僕としてはどちらも頑張って福岡のコミケをまだまだ活性化してほしいなあと思う。

「コミックネットワークin福岡ドーム」の挑戦とは EUェル8-3 Aコミケというものを大衆に訴えかけて、なおかつサークルの支持を得られる結果を出せるのかということである。そして、この挑戦は無責任に端から見ている分にはぞくぞくするほどおもしろい。たぶん、こんな形での挑戦は全国でも例がないからだ。「コミックネットワークin福岡ドーム」の結果が今後のコミケやパーソナルメディアの方向性を知る上で大きな手がかりになるのではないかと、僕は勝手に思い込んで楽しんでいる。


机だけ並んでいるとさすがに広い。
サークル入場開始直後のまばらな状態。左には飲食スタンドも。
サークル入場は前回の反省をふまえてスタンドを降りる形から選手入場口を使う方式に変更。カートなどを持ったままの入場がしやすくなった。
ひたすら伸びる一般客の列は、入場直前にはドームを一周。単にドームを見に来ただけの観光客がげんなりしていた。
一般客はスタンドを降りる形で入場
スクリーンを使った演出はドームならでは。写真は島田沙羅のトークショー。
コミケ終了後に球場内のスタンドバー「ビッグライフ」で行われたコスプレダンパ。200名の定員に300名を越す人が押し寄せ、超過密状態。

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